| Aki Naganuma WashingtonDC同時代記 |
長沼亜紀 naganuma_washdc@yahoo.co.jp |
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| WashingtonDC同時代記 アメリカ政治・社会についての話題を隔週でまとめて紹介 |
| サウスダコタ州議会が中絶を全面禁止する法案を可決(#12 3/1/2006) |
| サウスダコタ州の州議会が2月24日、レイプや近親相姦を含むほとんどあらゆるケースにおける妊娠中絶を禁止する法案を可決した。州知事は署名する意向で、今年7月にも施行される見込みだ。中絶容認団体が、女性の選ぶ権利を侵害するとして裁判をおこすとしており、最高裁まで争われることになりそうだ。 もともとサウスダコタ州は、中絶について保守的な土地柄で、州内の医師は「赤ちゃん殺し」呼ばわりされるのを嫌い手術を行わないため、唯一の診療所に週2回州外の医師をやってきて施術するという状態が十数年続いている。今回の法案は、母体の生命が危険にさられる場合以外は、医師が中絶手術を行うことを犯罪とする内容だ。レイプや出産によって母体が障害を負う可能性のある場合も例外と認められない。他州にも未成年の中絶に一定の制限を設けた法はあるものの、これほど極端な中絶禁止法案はほかにない。女性への暴力の問題に取り組んでいる市民団体「South Dakota Network Against Family Violence and Sexual Assault」によると、仮にレイプ被害者が妊娠した場合、加害者にも親権が発生する可能性があるという。 このような法案が提案された背景には、最高裁長官に保守的なジョン・ロバート、さらに今年2月には同判事に同じく保守的なサミュエル・アリトーが任命され、中絶を合法化した1973年の「ロー対ウェイド判決」が覆される可能性が高くなったと見られている点がある。法廷闘争に備え、サウスダコタ州の新しい中絶禁止法を守るよう州議会に匿名で100万ドルを寄付する人も現れるなど、すでに中絶反対、容認派の戦いは過熱し始めている。 参考: Chet Brokaw, “S.D. Legislature Clears Abortion Bill to Challenge ‘Roe’,” Washington Post-Associated Press, February 25, 2006. ©Aki Naganuma. All rights reserved. |